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フランク・ロイド・ライトのデザインを感じる、東京巡り

GUIDEBOOK2020.11.05

母国アメリカ以外で唯一ライトの作品が残る日本。その中でも、都内でライト作品を体験出来るスポットをご紹介します。

①帝国ホテル「オールドインペリアルバー」

クラシカルな雰囲気漂う、東京で唯一ライト館の面影を感じられる場所。

近代建築の三代巨匠のひとりである、フランク・ロイド・ライトの設計によって建てられた帝国ホテル旧本館、通称ライト館。大正から昭和にかけて世界中の人々に愛されたライト館は、ライトの独創性を最も感じることの出来る建築のひとつだったと言えます。

帝国ホテル旧本館

帝国ホテル「オールドインペリアルバー」は、ライト館の面影を現在に伝える東京では唯一の場所です。壁画と大谷石の彫刻、カウンター中央のテラコッタも当時のまま。ライトデザインの調度品も今尚現役で活躍しています。装飾的で品格のあるライト館の雰囲気を楽しみながら、最高級のサービスでお酒を味わうことが出来る場所です。

オールドインペリアルバー

URL:帝国ホテル オールドインペリアルバー

住所:東京都千代田区内幸町1丁目1ー1 帝国ホテル本館中2階「オールドインペリアルバー」 地下鉄日比谷駅|東京メトロ:日比谷線・千代田線、都営地下鉄 : 三田線 徒歩3分(A13出口)、地下鉄内幸町駅|都営地下鉄 : 三田線 徒歩3分(A5出口)など

 

②自由学園明日館

完璧主義者、ライトの目指した「有機的建築」とは?

自由学園明日館は、フランク・ロイド・ライトと弟子の遠藤新によって設計されました。建物の意匠は「プレーリースタイル」という、建物の高さを抑えつつ水平線を強調したデザイン。帝国ホテル旧本館と同様に、ここでもライト建築の特徴ともいえる大谷石を多用しています。国の重要文化財指定を受けた建築です。

自由学園明日館 外観(wikimediacommonsより引用/著者:柿台)

自由学園明日館は、理想教育の実践の為に設立された自由学園の校舎です。ライトは自身の建築生涯において「有機的建築」を提唱していました。建物と自然と人、それぞれの関わり方を大切にこれまでの設計人生を歩んできました。

建築に関しては完璧主義者だったことでも有名なライト。旧帝国ホテルの設計でも、その完璧さが故、予算の超過や後期の遅れなどの出来事もあったようです。明日館でも幾何学形のデザインで統一されたインテリアや家具など、洗練されたディテールは、まさにライトの完璧主義を感じることが出来ます。

自由学園明日館 内観

URL:自由学園明日館

住所:東京都豊島区西池袋2丁目31ー3 JR山手線 池袋駅 徒歩7分

 

③高橋工房

熱心な浮世絵コレクター、フランク・ロイド・ライトのインスピレーションの源を体験

ライトは、日本の浮世絵の収集家としても有名でした。帝国ホテルの設計を以来した当時の帝国ホテル支配人、林愛作との出会いも古美術がきっかけです。旧帝国ホテルのデザインにも影響を与えたとも言われる、日本の浮世絵。ライトが外からの目で気づいた日本の魅力を、改めて体験してみると、様々な発見があるかもしれません。

右:林愛作、中:フランク・ロイド・ライト

江戸木版画とは、日本独自の多色刷り木版画の技術です。大胆な構図や繊細な色彩は、ライトだけでなく、ゴッホやマネといった西洋の芸術家にも大きな影響を与え、19世紀後半にはジャポニズムブームを巻き起こしました。

浮世絵には、幾何学的な構図を用いて制作されている作品もあります。ある見方では、この幾何学の構図がライトの作品にも影響を与えているのではないかとの見解もあるようです(※ライト自身は否定をしています)。浮世絵の摺り体験を通じて、ライトが見出した浮世絵の魅力に、触れてみてはいかがでしょうか?

高橋工房Webサイトより引用

URL:高橋工房

住所:東京都文京区水道2-4-19 株式会社 高橋工房 有楽町線 江戸川橋駅 徒歩5分(4番出口)など

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