帝国ホテルが誕生したのは、まさに近代化の幕開けの時。この激動の時代に生まれ、今に受け継ぐ新しい文化やサービスを体験できる、ロマンを感じるスポットのご紹介です。
①帝国ホテル
数々の“ホテル初”を生み出した、おもてなしの精神
日本の迎賓館の役割を担い誕生した帝国ホテルは、建築だけでなく、もちろんサービスの上でも新しい価値を提供し続けてきました。おもてなしの精神で生まれた質の高いサービスは、数々の「ホテル初」を生み出しています。
二代目の本館であるライト館の時代には、ホテルの中で買い物が出来る「ショッピングアーケード」、結婚式と披露宴を一貫して行う「ホテルウエディング」、食べ放題の代名詞となった「バイキング」などがホテル初の試みとして誕生しました。その他にも、ホテル内のバーでお通しとして出していたピーナッツに、あられせんべいを混ぜて提供したことから「柿ピー」が誕生したとも言われています(※所説あります)。
おもてなしの精神で様々な新しい試みを続けてきた帝国ホテル。最近でも2019年には初代料理長を務めた村上信夫氏のレシピを現代風にアレンジしたコース料理の提供や、藤原歌劇団(帝国ホテルとゆかりのある名テナー歌手、藤原義江氏創設)とのコラボレーションディナーショーなど、お客様が楽しめるイベントも定期的に企画しています。ライト館に思いをはせた後は、受け継がれるホテルのサービスを味わってみてはいかがでしょうか?
URL:帝国ホテル
住所:東京都千代田区内幸町1丁目1ー1
地下鉄日比谷駅|東京メトロ:日比谷線・千代田線、都営地下鉄 : 三田線 徒歩3分(A13出口)、地下鉄内幸町駅|都営地下鉄 : 三田線 徒歩3分(A5出口)など
②旧岩崎邸庭園
ジョサイア・コンドル設計の重要文化財で、優雅な時間を過ごす
旧岩崎家住宅は、三菱財閥の創始者である岩崎弥太郎の長男、岩崎久弥(第三代社長)の本宅として、明治29年(1896年)に建てられました。洋館は、日本建築界の父、ジョサイア・コンドル設計です。初代帝国ホテルの設計にあたった渡辺譲は、コンドルが教授となった工部大学校造家学科の二期生として設計を学びました。
17世紀の英国で主流だった、ジャコビアン様式の装飾が随所に見られます。イギリス・ルネサンス様式やイスラム風など様々な様式が折衷したような細かい装飾デザインは、建物自体が芸術作品のよう。まさに大河ドラマの世界に入り込むことが出来ます。
洋館の隣には和館があります。高級料亭のような雰囲気で、お茶を頂ける御茶席も用意されてあります。コンドル設計の洋館見学の後には、こちらで一息つきながら、レトロな雰囲気を味わうことが出来ます。
URL:旧岩崎邸庭園
住所:東京都台東区池之端1 東京メトロ千代田線 湯島駅 徒歩3分 など
③浅草
日本文化が色濃く残る町
フランク・ロイド・ライト本人は否定をしていますが、彼の設計思想は、日本文化の影響を受けていたという見方をされています。特に、ライトが熱心な浮世絵コレクターだったことは有名な話であり、その他にも1893年シカゴ万博の日本館で、宇治の平等院鳳凰堂を模した鳳凰殿に出会い、足しげく観察をしに通っていたとも言われています。
そしてライトが影響を受けたとされる日本人のひとりに、『茶の本』を書いた岡倉天心がいると考えられています。日本文化の精神を英語で綴った『茶の本』は、一杯の茶の中に凝縮された日本特有の美意識や世界観を浮かび上がらせる思想書として、世界に向けて発信されました。
一杯のお茶を入れる体験。そこから感じられる日本の精神性とは…?江戸時代の文化を体験出来る場所としては、都内では浅草が有名です。茶道体験や浮世絵の摺り体験など、世界のクリエイターに影響を与えた日本文化を、体験することによってよりその魅力を理解することが出来るかもしれません。
URL:仲見世
住所:浅草仲見世商店街 東京メトロ銀座線 浅草駅 徒歩3分 など